【臨終直後の段取り2】死後直後の処理〜清拭、死化粧など
臨終を迎え、死後直後の遺体は、葬儀や火葬をするために段階を踏んで準備が進められていきます。
このページでは、「清拭」と「死化粧(エンゼルメイク)」について説明します。
【1】「清拭(せいしき)」とは?
「清拭」とは、死後直後の遺体をアルコールなどでキレイにする儀式のことです。現代では病院で臨終を迎えることが多いため、清拭は医師や看護婦が行なうケースが多いようです。
自宅で亡くなった場合は、訪問看護師や依頼した葬儀業者によって行なわれます。
清拭の手順
清拭の手順は次の通り。まず、アルコールを含ませた脱脂綿で全身を綺麗に拭きます。その後、鼻や口、耳、肛門など、体液が出てきそうな部位に、脱脂綿を詰めていきます。
場合によっては、「おむつ」をすることもあるようです。傷がある場合は、包帯や絆創膏などで保護します。
【2】「死化粧(エンゼルメイク)」とは?
「清拭」が終わると、納棺までに「死化粧」が行なわれます。「死化粧」は「エンゼルメイク」とも言われるもので、故人の顔に化粧を施して、できるだけ生前の頃と同じ雰囲気を維持させるために行なわれます。
男女関係なく死化粧は施され、基本的に薄化粧です。亡くなってから時間がたつほどに、遺体は変色していきます。その変色を隠すための化粧でもあります。
死化粧の手順
死化粧はまず、薄いファンデーションやチークで顔色を明るくしてから、薄い口紅を塗ります。眉の形を整えたり爪を切ったり、男性の場合は、喪主や遺族に承諾を得てから髭を剃ることもあります。
頬がこけている場合は、口の中から脱脂綿を詰めて膨らみをもたせます。最後に髪を整えたら、口や目を静かに閉じさせて完成です。
死化粧はだれがやるのか?
死化粧は、亡くなった病院で看護師が行なうこともあります。しかし、遺体は時間が経つにつれて変色していくので、最終的な仕上げは葬儀社が行なうケースが多いようです。
ただし、故人の生前の印象を残すためには、故人の身近にいた家族など(故人の姉妹、娘さん、ご友人)が死化粧を施すのが一番いいです。もし可能であれば、心をこめて死化粧をやってみてください。
納棺までに期間が空く場合の死化粧のお直し
納棺までに何日か期間が空いていて、病院から自宅に一旦搬送する場合は、いくつか注意点があります。
遺体の皮膚は、時間が経つにつれてどんどん乾燥してカサカサになります。乾燥が進行しすぎると元に戻すのが大変で「死化粧」にも影響してきます。特に、唇は乾燥しやすいので、リップクリームか保湿クリームを塗っておきましょう。