【危篤時の段取り2】葬儀に必要な現金を用意
身内が危篤状態になったときは、まず近親者への連絡をして、その後の葬儀などに必要な現金を用意しなければいけません。葬儀費用の相場は、200万円程度ですが、このすべてをすぐに支払うわけではありません。
危篤状態の時には、急ぎで必要となるお金を用意しておくと、とりあえず葬儀まではスムーズに終えられます。
【1】葬儀が終わってから、後日精算できるお金
次の3つについては、葬儀が終わってからの精算(あるいは支払いまでに時間的に多少の余裕がある)になります。
葬儀費
葬儀自体にかかる費用は、葬儀後に精算するのが一般的です。相場としては、120万円程度と言われています。
飲食費
通夜や告別式でふるまう料理や飲食代も、一般には葬儀後の精算です。参列者の人数にもよりますが、相場としては30万円程度で考えておくといいでしょう。
入院費
故人が入院していた場合の入院費も、後日精算です。
葬儀関連で後日精算となる金額は、150万円程度と考えておきましょう。これについては、現金でなくても、銀行振込やクレジットカード払いに対応していたりします。
入院費については、窓口での現金支払いになるかと思います。病院や保険会社などとも話し合って、適切に処理してください。
【2】葬儀の前に、急ぎで必要となるお金
葬儀の費用は後日精算のものが多いのですが、次の2つについては、どうしても急ぎで用意しないといけません。
お布施
仏式の場合、依頼した僧侶に読経料や戒名料、御膳料、お車代などの「お布施」を支払います。お布施は、僧侶に直接渡すものなので、現金で用意しておきましょう。
心づけ
心づけは任意です。もし僧侶や葬儀場のスタッフに渡すのであれば、現金で用意しておきましょう。
お布施と心づけを合わせた相場は、だいたい35〜50万円ほどになります。危篤後、なるべく早めに、とりあえずこの金額だけ「現金」で用意してください。
【3】葬儀に死亡者本人の預貯金を利用する場合の注意点
危篤状態の人が亡くなった時点で、死亡者本人の預貯金は相続金となります。つまり、法定相続人すべてが相続金を受け取れる権利があるということです。
相続人全員と相談せずに死亡者本人の預貯金を使用すると、後でトラブルになることもあります。
相続の際には相続税、贈与の場合には贈与税などの税金も発生します。なので、死亡者本人の預貯金を利用するのは、相続や贈与が確定してからの方がトラブルを防げます。