葬儀費用を少しでも安くしたいあなたへ!
葬儀には、すごくお金がかかるイメージがありますよね。でも、何にどのくらいのお金がかかっているのか、細かく知ってる人は少ないかもしれません。そこで、まずは基礎知識として、葬儀にかかっている費用の概要を説明しましょう。
葬儀にかかる3つの費用とは?
葬儀にかかる費用は、大きく3つに分類することができます。それぞれ「葬儀一式費用」「お布施」「飲食接待費」です。
一般財団法人 日本消費者協会の統計によると、葬儀費用の全国平均は「約200万円」だそうです。その内訳は、全体の60%が葬儀一式費用、25%がお布施、そして残りの15%が飲食接待費と言われています。
ただし、この200万円というのは平均値なので、これよりすごく高くなるケースもありえますし、これより安くすませている人も当然いらっしゃいます。割合についても、お布施だけで数百万円請求されるケースなどもあるようで、ケース・バイ・ケースと考えたほうがいいでしょう。
いずれにしても、このページをお読みのあなたには、平均の200万円よりも安くなるように、しっかり準備していただきたいと思っています。以下に紹介する方法を参考にして、しっかり節約してください。
【1】葬儀社に払う「葬儀一式費用」を安くする方法
葬儀社に支払う「葬儀一式費用(会場、祭壇、遺体の管理、搬送など、葬儀一式にかかる費用)」を安くするには、いわゆる「見積もり比較」が有効と言われています。
葬儀費用の見積もり比較とは?
具体的な手順としては、まず、お住まいのエリアにある葬儀場をネットで検索します。3〜5社ほどピックアップしたら、それらすべてに電話をかけて、「見積もりを出してください」と依頼するわけです。
そして、すべての見積もりが届いたら、値段の一番安い葬儀業者と契約するという流れになります。
- ネットで地域の葬儀社を検索(Googleマップなど)
- 葬儀社を3〜5つほどピックアップ(ここまでで10分程度)
- ひとつずつ電話して見積もり依頼(1社あたり10〜20分程度)
- 見積もりがそろったら…(早くて30分、遅くて数日)
- 一番安い葬儀社に電話して契約する
見積もりを比較するのは、商品やサービスを安くする基本中の基本です。例えば、引っ越しするときでも、車を売るときでも、業者の見積もりを比較することで、こちらに有利な条件を引き出せます。
葬儀社を選ぶときも同じです。見積もりを比較して、一番安い葬儀社と契約すれば、葬儀費用を安くできるのは間違いありません。理にかなってますよね?
見積もり比較などやってるヒマがない…
しかし、見積もり比較には、重大な欠点があります。それは、亡くなってから葬儀社を選ぶ場合には、ゆっくり見積もり比較などやってるヒマがないということです。
例えば、病院で亡くなったとしましょう。亡くなった直後から、近親者に連絡したり、病院の事務手続きに追われたりで、やることがいっぱいあります。
バタバタと手続きに走り回ったあと、遺体が病院の霊安室に運ばれますが、霊安室を利用できるのは通常1〜2時間程度しかありません。霊安室を空けるように催促されるため、遺体をすぐに、どこかに搬送しないといけないわけです。
こんな状況のなかで、ネットで葬儀社を探して、見積もり依頼などやってるヒマなどあるでしょうか? しかも、見積もり依頼しても、すぐに見積もりを出してもらえるとはかぎりません。夜中だと、電話がつながらないかもしれません。見積もり比較したくても、実質的に不可能ということです。
葬儀社を選ぶ現実的な方法1:定額プランの葬儀サービス
そこで、私たちにできる現実的な選択肢のひとつとして、「定額プラン」の葬儀サービスを利用するという方法があります。
これは、どのようなサービスかというと、参列者の規模などによって、いろいろな葬儀プランが用意されているサービスです。プランごとに値段が決まっているので、予算に合わせて選ぶだけです。
※プランの詳細はこちら(全国対応、24時間受付)
葬儀一式費用は、全国平均で「120万円」と言われています。この金額と比較すれば、定額葬儀プランは圧倒的に安いです。
以上まとめると、私たち利用者がやることは、プランを選ぶことだけ。あとは、その料金プランで契約している葬儀社から担当者がやってきて、遺体の搬送・保存から、葬儀の段取りをどんどんやってもらえます。
予算に合わせたプランを選ぶだけなので、わざわざ見積もり比較などやる必要はありません。電話して、わずか数分後には葬儀社が決まるので、こちらはこちらがやるべきことに集中できて助かります。
葬儀社を選ぶ現実的な方法2:葬儀費用の一括見積もり
個人的には、いまご紹介した定額プランの葬儀サービスがおすすめです。しかし、時間的に余裕があるなら、見積もり比較をするのも悪くはないと思います。
その際に利用すると便利なのが、葬儀費用の「一括見積もり」のサービスです。一括見積もりというのは、わざわざ一社ずつ見積もり依頼するのではなくて、一度にまとめて複数の見積もりを集めることができるサービスです。
※一括見積もりの詳細はこちら(見積もり依頼は無料)
一括見積もりなら、依頼する手間は1回だけなので、そこまでめんどくさくありません。ただし、実際に見積もりが届くまでに、数時間から数日かかる場合もあるので、切羽詰まった状況で利用するのには向いていません。
なので、ここ数日がヤマといった状況で、念のために準備しておきたいという場合に一括見積もりは向いているといえるでしょう。
注意!病院と提携している葬儀社は使わないこと
葬儀一式費用を安くしたいということであれば、病院と提携している葬儀社は利用しないほうがいいです。なぜなら、病院と葬儀社の間に「紹介料」が発生してしまうからです。
つまり、中間マージンが発生するため、その分の費用を、私たちが何らかの形で負担させられることになります。葬儀費用が、割高になってしまうわけです。
病院と提携している葬儀社は、霊安室に遺体を運び込むタイミングで話しかけてくることが一般的です。そして、「うちで葬儀を引き受けさせてください」という話になるので、「定額プランのサービスを利用します」といって、キッパリとお断りしましょう。
葬儀一式費用を安くする方法まとめ
- 定額プランの葬儀サービスを利用する(最も現実的)
- 葬儀費用の一括見積もりサービスを利用する(時間の余裕がある場合)
- 病院と提携している葬儀社は利用しない
【2】僧侶に払う「お布施」を安くする方法
次は、お布施を少しでも安くする方法について考えてみましょう。
冒頭でご紹介したように、お布施の全国平均値は「50万円」と言われています。ただし、これは平均値なので、50万円支払うのが当たり前ということではありません。
なかには数百万円も支払っている(支払わされている)人もいるため、その分、平均値が上がって「50万円」になっているわけです。
一般庶民感覚としてのお布施の目安は?
お布施には、5つの項目があります。メインとなる「読経料」「戒名料」と、その他の「お車代」「御膳料」「心づけ」です。
それぞれの金額の目安は、次のように考えるといいでしょう。
- 読経料・・・15万円程度(2日分)
- 戒名料・・・2〜25万円(宗派、戒名ランクによる)
- お車代・・・5千円程度(遠距離の場合は実費相当額)
- 御膳料・・・5千円〜1万円程度(必要に応じて)
- 心づけ・・・5千円〜1万円程度(必要に応じて)
つまり、私たち一般人にとって違和感のないお布施の金額は「20〜35万円くらい」と考えていいでしょう。
お布施を安くする方法1:高いランクの戒名にこだわらない
お布施を少しでも安くしたい場合に、注目すべきは「戒名料」です。戒名にはランクがあって、どのランクの戒名を付けてもらうかで金額がまるっきり変わってくるからです。
どのランクの戒名を選べばいいかは、それぞれの考え方によります。費用を安くすることだけを考えるなら、一番低いランクの戒名を選べばいいですが、費用だけで選ぶのが必ずしも正解とは言えません。
そこで、まずは基礎知識として、「戒名」とはそもそも何なのか説明しておきます。
そもそも「戒名」とは?
戒名というのは、簡単に言えば、故人に与えられる「新しい名前」です。天国に旅立つにあたって、天国で故人が使うための名前と考えてください。
ここで問題になるのが、戒名には「ランク」があるというところ。誤解を恐れずに言えば、天国には「階級制度」があって、戒名のランクによって、天国での階級が決まってしまうというわけです。
しかし、ここで疑問に思わないでしょうか?
天国での階級を高くしたいと思えば、ランクの高い戒名をつけなければならない。でも、高いランクの戒名をつけるには、高額なお布施を払わなければならない。
ということはつまり、天国での階級は、しょせんお金で決まってしまうということですよね? なんだか、バカげてないですか?
本来は「宗教的修行のがんばり具合」に応じてつけられていた
じつは、本来の戒名は、この世で宗教的な修行をがんばった人に、がんばり具合に応じてつけられるものだったそうです。例えば、次のように考えてみてください。
- 「院居士・院大姉」・・・宗教的な修行をものすごくがんばった
- 「居士・大姉」・・・宗教的な修行をがんばった
- 「信士・信女」・・・宗教的な修行はぼちぼち
宗教的な修行がぼちぼちだった人には、低いレベルの(一般的なレベルの)戒名「信士・信女」がつけられる。一方で、宗教的な修行をめちゃくちゃがんばった人には、高いレベルの戒名「院居士・院大姉」がつけられる。
これなら、私たち一般人にもわかりやすい、理にかなった話ではないでしょうか。
バブル時代に「戒名」がお金で買えるようになった
本来は、宗教的な修行の積み重ねによってランクが決まっていた戒名ですが、一説によると、バブル時代になってお金で買えるようになったんだそうです。
バブルでお金持ちになった富裕層の人たちが、金にものを言わせて、高いレベルの戒名に、何百万とつぎ込むようになったわけです。
お寺としても、それで儲かるわけなので、大歓迎です。そうして、宗教的な修行を一切やってこなかった人にも、お金さえ払えば、ランクの高い戒名をつけられるようになりました。その名残りが、今でも残っているというわけです。
結局、どのランクの戒名を選べばいいか?
ここまでの説明でわかるとおり、宗教的な修行を特別に行っていない私たち一般人は、「一番低いランクの戒名」しかつかないのが本来の戒名のありかたです。
お金を払って、ランクの高い戒名を買うという行為は、仏教を冒涜していると考えられないでしょうか?
一番低いランクの(一般的なランクの)戒名を選んで、お布施の費用を節約するのが、戒名の本来の趣旨に合っていると個人的には思いますが、いかがでしょうか?
お布施を安くする方法2:定額のお坊さん派遣サービス
菩提寺がない(わからない)場合には、定額プランのお坊さん派遣サービスを利用するのがおすすめです。
定額プランなので、追加料金など一切発生しません。申し込みの段階で金額が確定していて、葬儀のときに、その金額を僧侶に渡すのみです。
いくら包めばいいのか悩む必要もないですし、高額なお布施を請求されてしまう心配もありません。とにかく安心感がメリットです。
菩提寺がある場合には菩提寺のお坊さんに依頼すること
注意点としては、菩提寺がある場合には、定額プランのお坊さん派遣サービスは利用できません。なぜなら、菩提寺のお坊さんにお経を上げてもらわないと、その菩提寺で納骨させてもらえないからです。
逆に、菩提寺がないのであれば、お布施を安くできるチャンスです。ぜひ定額プランのお坊さん派遣サービスを利用して、お布施を安く済ませてください。
お布施を安くする方法まとめ
- 高いランクの戒名にこだわらないこと
- 定額プランのお坊さん派遣サービスを利用すること(菩提寺がない場合)
【3】参列者にふるまう「飲食・接待費用」を安くする方法
最後に、飲食接待費用を安くする方法について考えてみましょう。
飲食接待費用というのは、参列者にふるまう料理「通夜ぶるまい」「精進落とし」と、参列者にお渡しする「返礼品」「香典返し」のことです。
冒頭に紹介したデータによると、これら飲食接待費用の全国平均値は「30万円」とのこと。これを、例えば「20万円」とか、「10万円」とかに節約するにはどうすればいいでしょうか?
飲食接待費用を安くする方法1:参列者の数を減らす
一番手っ取り早い方法は、参列者の数を減らすことです。参列者の数を減らすには、通夜・告別式の連絡を、ごく限られた一部の範囲に限定するのがいいでしょう。
ちなみに、参列者が増えると、それだけ香典が多く集まります。ただし、それに比例して、飲食接待費用が増えてしまいますし、参列者対応も大変になってしまいます。
さらに言えば、葬儀一式費用も、参列者数に応じて高くなっていきます。葬儀一式費用が、見積もりより大幅に増えてしまう理由のひとつが、参列者数が予想より大幅に増えてしまうことだったりするんです。
ということで、参列者数が増えすぎても困ったことになるので、連絡する範囲は広げすぎないようにしましょう。
飲食接待費用を安くする方法2:ディスカウントストア
飲食接待費用のうちで、飲み物に関しては、ディスカウントストアで箱買いするのもいいでしょう。ペットボトル類やビールなどを、ディスカウントストアでまとめて買ってくるわけです。
仕出し屋に持ってきてもらうと、かなり割高な料金を請求される可能性があります。葬儀費用全体からすると微々たる金額かもしれませんが、割高なものを買わされるのは気分の悪いものです。
ちなみに、ペットボトルやビールだったら、仮に残ったとしても、持って帰って自分で飲めばいいだけです。少し多めに買っておいてもいいでしょう。スナック類などもまとめて買っておくといいかもしれません。
飲食接待費用を安くする方法3:主婦の力を活用
身内だけの小規模な葬儀であれば、食事類は自分たちで用意するというのもありです。
もちろん、喪主が自分で料理する暇はないと思いますが、参列者に主婦がいるのであれば、おにぎり、お蕎麦、お吸い物や、ちょっとつまめるものなどは、ササッと作ってもらってもいいと思います。
飲食・接待費用を安くする方法まとめ
- 参列者の人数をむやみに増やさない
- 日持ちするものはディスカウントストアでまとめ買い
- 主婦の力を活用